「令和日本の敗戦ー虚構の経済と蹂躙の政治を暴く-」田崎基(たさきもとい)著 筑摩書房より

本書の初刊は2020.4.10で、丁度コロナ禍で世の中が暗く沈んでいて、アベノマスクを初めとしたコロナ対策が右往左往していた頃であった。八年もの間、何故安部政権が支持されてきたのか、と疑問に思っていた。本書を数回熟読した時、支持率低下と共に前首相は健康を理由に退陣し菅政権が発足した。前政権の政策を踏襲すると言う名目のもとに。

まさかという思いで本書を手にしたのだが、かいつまんで「おわりにー」を要約して。

おわりにーこの国は「敗戦」へと向かっている

先の大戦では勝ち目のない戦に突撃し国家は崩壊、国土は焦土と化した。令和となった現在、国家との戦争ではなく敵なき敵との戦いで、失策に次ぐ失策で自滅のときを迎えようとしている。

先の大戦では現実には負けているのに「勝っている」と宣伝し、物資や食糧の補給の見通しも立たないまま戦線を拡大し続けた。

現在は、経済の破綻の先送りを宿命的に続けている。賃金は下がり数字としての成長率はほぼ横ばい。政府の見解は「穏やかな景気回復を続けている」から変わらない。2020.1の施政方針演説は、「世界の真ん中で輝く日本。希望にあふれる誇りある日本を創りあげる」。全滅を玉砕、退却を転進と言い換えたあの時代と変わらないという。

以下、本書をお読みください。

先日の「桜を観る会」に関する記者会見や委員会での釈明に、果たして納得した国民はいたのであろうか。あれも嘘なのではと思ったほど。数々の閣僚が不祥事を起こして裁判沙汰になっている。

コロナ禍で情けない政治家ばかりが目立つ。選挙で一票を投ずることしかできないが、党派を問わず骨のあるまともな方に貴重な一票を投じたい。男女を問わず新しい未来を託す若い方々に政治の世界で立て直しを図って頂きたい。