『「長期政権のあと」佐藤 優・山口二郎共著 祥伝社新書』を読んで

安倍政権を支える権力基盤は、「安部一強」と呼ばれる「官邸主導体制」にある。2012年の第二次政権発足以来、官邸を支える官僚機構を強化してきた。首相を直接、補佐・支援する「内閣官房」と、内閣の重要政策扱う「内閣府」が担う。

更に2014年に官房に設置された「内閣人事局」が、官房の権力を強大にしている。官房副長官、秘書官、補佐官等の首相側近が首相と密議をこらし国政を動かしているが、「官邸官僚」達は結果に責任を負わず、負うのは政治家。まさしく闇政治がまかり通っているとは。

政権発足時より行政権優位になっていて、独断専行や閣議決定を繰り返し国会を軽視している。だから、現時点で国会召集をと野党側繰り返しても聞く耳を持たず。

公金意識欠如の「桜を見る会」は、まるでポケットマネー感覚で「選挙で選ばれた王政」如くの振る舞い。

アベノミクスは客観的・現実的な成果が上がっていないと評価されても、人々、特に若い人達は「期待」と「幻想」を持たせてくれることで未だ政権を支持している。「他に期待できる政党が見当たらない。」と。

歴史を辿ると、格差や貧困が広がったところに疫病が襲うと不安におののく。

「安倍政権の終わりの始まり」が続いていたが、このコロナ禍はそれを立て直す機会となるのか、それとも?